実際に現場で見ることと、
本屋テレビで見ること。
その違いをガンジス川(ガンガー)の街、
バラナシで思い知った。
ガンガーには生と死がある。
数々の旅行記や小説、ドキュメンタリー番組を通して
それを知ったつもりになっていた。
「死は忌み嫌われるものではない」
「死はタブーではない」
そんな言葉を引用しつつ、
「それに比べて日本は…」なんて
偉そうに講釈をたれたこともあった。
マニカルニカー・ガードと呼ばれる
火葬場に近づくにつれ、
「よそ者は帰れ」
何度もそういわれた気がした。
僕には霊感なんてないと思っていたけど。
そこで強烈に畏れを感じた。
何かに取り憑かれるとか、そういう類の恐れではなく
人が大切にしている花壇に
土足で入っていくような
何ともいえない居心地の悪さ。
火葬場にたどりついたものの、
10秒でギブアップ。
ヨメを待つ間、ずっと誰かに謝ってた。
「死は忌み嫌われるものではない」
「死はタブーではない」
???
確かにそうかもしれない。
だけど、死を感じながら、死とともに生きるということは、
どれだけタフなことかを、ここにきて思い知った。
はらだいち
2