世界一周初心者のヨメブログです
モロッコはイスラム教の国だから盗みをしたり、
人をだますことはしてはならないという教えが深く根付いている、と聞いていた。
空港から市内へ移動するバスを降りるとワッと人が寄ってきた。
「Where will you go?」「Come’on with me!」
「I am official tour guide」「コニチワー!」
おー、南米以上の勧誘。
アジアって感じ。
大きな荷物を抱えた私にみんながいっせいに話しかけてくる。
ここからCTMという国営の長距離バスオフィスまでタクシーで移動したい。
タクシー乗り場なんてものはまわりになく、
どの人について行っても怪しそう。。。
「CTMに行きたいのだ」と告げるとみんなワーワー値段を口にしだした。
もうわからん!
すぐそばに停まっているグランタクシーという
オフィシャルのタクシーを指さしていたおじさんに決めてついていく。
いくらか?と尋ねると片手をだして「5」だという。
オフィシャルだし、5なら悪くない、と乗り込んでCTMまで走ること5分弱。
CTMオフィスの前で停めてもらい、モロッコの通貨20ディルハムを差し出すと
「足りない。俺が言ったのは5ユーロだ。モロッコ通貨で払うなら50ディルハムだ」
と言い出した。
ありがち…。
南米でもこの戦法は有名だったので注意していたのだが、モロッコにもあったか!
通常5~10ディルハムでつくところ、10倍近い値段を言ってきたことになる。
日本円にすれば70円で着くところを700円と言ってきているのだ。
キーッ!!
めずらしく「おかしいだろー」と対抗をするムコ。
おじさんも負けていない。
「だったらCTMオフィスで正規値段はいくらか聞いてくればいいさ」
鼻息荒くオフィスに歩いていくムコとおじさん。
オフィスのまわりで休んでいた数人と拍手を交わすおじさん。
あれ?これ、すでに仲間だから劣勢なんじゃ?
「50ディルハムするよな?」というおじさんの問いかけに
「んだんだ」とうなずく仲間と思わしきおじさんたちと
困り顔で「私に聞かないで」とジェスチャーをする受付のお姉さん。
けんかごしではないのだけれど、この状況を楽しんでいるようでもあるおじさんと
5分くらい押し問答をしたけれどおじさん引き下がらない。
「ちゃんと単位を確認しなかったのも悪かった」と後悔しながら
50ディルハムを払う羽目になった。
なんだよー、人をだましちゃダメなんじゃないの??
モロッコ手強い。
うれしそうに去っていくおじさんを見やりながら
フェズ行きのバスのチケットを尋ねるとちょうどすぐ来るバスがあるそうで
そのままチケットを購入。
到着まで6時間半もかかるのにバスにはトイレがない。
ここのチケットオフィスのトイレに行っておくべし、とトイレから出てくると
“OFFICIAL SERVICE”というユニフォームを着た
トイレ代回収おばさんが「1ディルハム」と言ってきた。
20ディルハム札しか持っていなかったのでおばさんに20ディルハムを払うと
おつりがないらしく、チケット売り場のおじさんに両替を頼んでいる。
なんとなく嫌な予感がしておじさんに「トイレは1ディルハムなの?」と聞くと
「トイレは無料だよ」との答え。
うそん?!
両替しようとしているおじさんの手から慌てて20ディルハムを返してもらった。
トイレおばさんが私の服を引っ張りながらアラビア語で何か言っている。
面と向かって「トイレはフリーなんでしょ?」と言うとぶつぶついいながら
トイレ前のベンチに戻っていった。
ちゃんとビルの一角にある国営バスのオフィス内で、こんな自由にトイレ営業させちゃダメだろー。
しかも“OFFICIAL SERVICE”なんてユニフォーム着てるのは違反だろー。
なんだよ、なんだよ、モロッコ!!!
インド的な小さな騙しあいの様相になんだか笑えてきた。
そういうやり方をするならこちらもそれなりに構えないと。
楽しくなってきたゼ、モロッコ(笑)
*旅メモ*
長距離バスはCTMという国営バスと民間バスが数社走ってる。
タンジェ~フェズのCTMは3時間おきくらいに発車していて1日5本くらい。
私たちが乗ったのは12:00発。
(といっても、30分ほど遅れて出発)
バス代は110ディルハム+大きな荷物代3.5ディルハム。
CTMの装備は冷房あり、トイレなし、
席は女性でも膝が前の座席にあたるくらい狭い、
リクライニングは後ろに人がいなければ倒せる
(人がいるとかなり邪魔になってしまう)
途中5回くらい停車駅あり 人がたくさん乗り降りする
トイレ、食事購入可能
1