『アンネの日記』が書かれた家へ行ってきた。
絵の左下にある入り口は、
動く本棚でカモフラージュされているのだが、
それを目の前にして言葉を失った。
あまりにも強烈な “何か” が漂っている。
「発覚=死」
その恐怖に怯えながら隠れ続けることがどんなに大変なことなのかは、
今までのほほんと生きてきた僕の想像力じゃ、とてもじゃないけどイメージできない。
この狭い空間で、8人ものユダヤ人息を潜めて生活していたという事実。
15歳そこそこの女の子が、学校にも行けないし、友達にも会えないという孤独。
いつ密告されるか分からないという恐怖。
ユダヤ人というだけで連行され、虐殺されるという不条理。
しかしそれでもなお、アンネは日記にこう記している。
自分でも不思議なのは私がいまだに理想のすべてを捨て去ってはいないという事実です。だって、どれもあまりに現実離れしすぎていて到底実現しそうも ない理想ですから。にもかかわらず私はそれを待ち続けています。なぜなら今でも信じているからです。たとえ嫌なことばかりだとしても人間の本性はやっぱり 善なのだと — 1944年7月15日
人間の本性は、やっぱり善。
この状況でそんなことが言えるなんて。
いや、逆か。
この状況だからそういう答えになったのかもしれん。
世界一周ブログ / はらだいち
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