オアシスの街、ワカチーナで、何気なく入った日用雑貨店。
「もしかして日本人ですか?」と、彼は突然話しかけてきた。
“日本人はアミーゴだ! と、なれなれしく接してくるヤツは危ない”。
そういうスタンスで南米を渡り歩いてきた我々だったが、
彼は第一印象から少し雰囲気が違っていた。
というか、日本語が上手すぎる!
どうやら、日本人の祖父母をもつ日系人で、
大学時代からの6年間は、日本に住んでいたとのこと。
ただ、さまざまな不幸が重なってしまい、
1年半ほど前にペルーに戻ってきたという。
彼には料理を作ってもらったり、
砂丘を一緒に登ったり、
サンドボードを見せてもらったりと、
いろいろと楽しませてもらった。
我々の質問に対して、
“Love”の目的語を“二人”としたのは、
もしかすると、チップ目当てのおべんちゃらだったのかもしれない。
でも、そんな穿った見方をするのも恥ずかしくなるぐらい、
彼は純粋に“日本”と“日本人”を愛しているように感じられた。
もしかしたらそうすること、つまり日本人を愛し、愛されることこそが、
“ニッケイ”の血をもつ自分の存在価値を高める手段なのかもしれない。
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