世界一周ブログ -  ヨメ旅

帰国後
  • 世界遺産の町マカオ

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    世界一周初心者のヨメブログです。

    ホテルから見えたマカオタワー。上部からバンジージャンプとかできるそうな。

    マカオ国境の中国の町、珠海から海を挟んで目の前にそびえたつマカオへ陸路入国。
    マカオは中国の一部だけれど、元ポルトガル領で中国とはお金も違うし、
    入国審査とパスポートにスタンプも必要だ。

    マカオはギンギンギラギラのカジノホテルが立ち並ぶ。

    まずは中国出国審査へ。
    …と思ったら、なんじゃこりゃ?!
    ディズニーランドの新アトラクションかってくらいの長蛇の列!!
    ゆうに1000人は超えていると思う。。。
    バスやフェリーでの入国のほうがスムーズとは聞いていたがここまですごいとは!!
    たくさん窓口はあるんだけれど、ほとんどが中国国籍かマカオ国籍か香港国籍用で
    外国人用の窓口はひとつのみ。
    地味に進んでいる外国人用の列の最後尾に並ぶ。
    時計は午前10:30。
    どの窓口も手際はいいものの、なにしろ並んでいる人数が多すぎてなかなか進まない。
    結局、中国の出国スタンプをもらえたのが11:30。ふぅ、と一息。
    でも、待てよ?まだ出国しただけ。
    同じだけの人数がマカオ入国にも向かってるわけだから…。
    2分ほど歩いてマカオ入国審査にたどり着くと、まー、並んでるわな。
    窓口は20個くらいあるんだけど、こちらもすごい人、人。
    しかもマカオ入国のほうは列の柵がない。
    えー、中国人、もともと『並ぶ』という概念がございません。
    隙があれば入るが勝ち。早い者勝ち。
    私たちも戦々恐々としながら、自分たちの順番を死守する体勢でこの戦いに臨む。
    が、中国人強し。
    後方からやって来たおじさんが列の前のほうの様子を見に列と列の間を進んでいき、
    戻ってきたと思ったら、スイと私たちの前に入ってきた。
    それに伴い、ご家族と思われる子供二人とおばさんも何気なく追加。
    うー、悔しい。
    そのあと、きれいめな格好の女性が前方に知り合いがいるようで
    背伸びして手を振ったり合図をしながら携帯電話で話しつつ後方から列を分けて進んできた。
    後ろに並んでいた人たちと同じように道を開けてあげると、
    私たちの前で進むのをやめて携帯電話を切り、定住。
    なんなんだ!!!
    おじさんおばさんはなんとなく割り込むイメージがあるけれど、
    現代文化にどっぷり触れてる若者でも割り込むのが普通なのか!
    しかも誰かを探してるカムフラージュなんかするのは悪いことしてる自覚があるからだろっ!
    結局5人に目の前に入られる惨敗っぷり。
    キーーーーッ!!!!!

    中国出国。門は目の前だけど、長蛇の列に並びます。

    でも、マカオ入国審査場ではマカオ政府による無料wi-fiが飛んでいた。
    中国では閲覧禁止のため見られなかったfacebookやツイッターが
    マカオ入国審査場ではすでにアクセス可能。
    ひゃー、数日ぶりの自由報道世界だ。
    うれしくてネットを見ているとあっという間に1時間が経過。
    マカオも1時間かかって無事に入国審査完了。

    ひとたびマカオに足を踏み入れれば、そこはビル群が建ち並ぶ別世界。
    どこぞやの会長が100億円使ったというカジノのビルがギラギラそびえたってる。
    すげー、マカオ。
    マカオで出会った中国人のおじさん曰はく、マカオは家賃も安くて、
    政府がカジノで年間800億パカラ(約7760億円)儲かるので、
    毎年国民1人あたり600~1000パカラ(約1万円)の還元があるらしく、
    みんなが住みたい憧れの場所なのだそうだ。

    マカオのマクドナルド。ビックマックを食べるとクジがついてきて、100万香港ドル(約1000万円)があたるモノポリーのキャンペーンをやってた。さすがカジノの街マカオのマック。夢がありすぎる。もちろんビックマック食べたけど、残念賞のハンバーガー1個無料すらも当たらず。

    観光産業で成り立っているマカオは観光するには高めの値段で
    国境超える前の中国ではホテルも1泊2000円くらいだったのに
    マカオは探しまくってやっと見つけたホテルで8500円。
    ご飯も中国では二人で600円くらいだったのに
    マカオの中心街に来ちゃうと二人で余裕で1000円越しちゃう。
    貧乏旅行だけどマカオを見てみたかっただけの私たちは
    今回はカジノと夜景と世界遺産の街並みを見て回るだけで、
    メイクマネーはしないことに。
    カジノの内容も私の好きなルーレットがなくて、
    サイコロで半か長か当てるゲームがメイン。
    ところ変われば、カジノのゲームも変わるんだなー。

    マカオはポルトガルの雰囲気が残る町自体が世界遺産。
    のんびりプラプラ散策して、たくさん歩いて、ホテルにてゆっくり休息日。
    明日は香港に向かいます。

    世界遺産の街並み。有名な広場だけどクリスマス飾りつけになっていて歴史の街並み一部隠れちゃってた。

    ポルトガルの影響も強く、美しい教会が残っている。真っ白な教会、ヨーロッパ以来。ヨーロッパでは毎日教会見ていて、もういいやって思ってたけど、久々の教会は吸い込まれる美しさ。

    世界遺産、ギラギラの建物と隣り合わせにボロボロなアパートが並ぶのがマカオ。土産物屋街は観光客であふれてる。

    マカオのシンボル。蓮の花をかたどったカジノホテル。

  • マカオ国境の町 珠海

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    世界一周初心者のヨメブログです。

    広州からバスで2時間半移動してマカオとの国境の町、珠海(チュンカイ)へ。
    最近はバス8時間ほど乗るのが普通だったから
    2時間半なんてひと眠りしたらもう着いちゃって
    眠るのには短すぎる距離だった…。
    中国のバスは座席間隔も広くて、うるさい演歌音楽も流れてなくて、
    リクライニングも気持ちよくできて、カンペキ。
    強いて言えば、たいてい運転手さんがブレーキやハンドル操作が荒いけど。。

    珠海の町は夕方から屋台が出てネオンが輝いて活気に満ちてくる。トルコ系の人種も多くてにぎやか。屋台は麺が10元8約120円)くらい。

    珠海で歩いて宿探し。
    中級のホテルに行ったのだけれど、この町もやはりまったく英語が通じない。
    「How much?」とか「1 night」も通じない。。。
    東南アジアのカンボジアでもラオスでもベトナムでもホテルフロントは
    単語くらいは理解してもらえたし、タイなんかかなり流暢な英語で対応してくれるのに
    中国はまったく通じない。
    むしろ「はぁん??」としかめっつらで聞き返されちゃう。
    おいおい、こちらお客様ですよ??
    異国の地にこちらが勝手に気に来てるわけだから、
    私たちが中国語を話すべきなんだろうけど、通じないにしても愛想がなくてびっくりしちゃう。
    中国の宿では宿泊時に宿泊費と別に同額程度のデポジット金を預けなくちゃならないんだけど
    今回は翌朝中国を出発するので、デポジットのための中国元を余分に持っていない。
    デポジットのために両替するのもバカらしいので、
    できればただ預けて戻ってくるだけのデポジット代はドルで支払いたかった。
    その旨を伝えるのに、これ、一苦労。
    スタッフがかわるがわる4人出てきました(^^ゞ
    最後にはドルを何度も何度も光にすかしたりしてチェックして、
    宿泊費の2倍以上のデポジットをドルで渡すことでOKが出た。
    ふぅ、中国是日々戦。

    雲呑麺。かろうじて読める漢字のメニュー。

    珠海の町はすぐ目の前に見える元ポルトガル領のマカオの影響も強いようで
    ケバブやコーヒーショップが目立つ。
    そして夜は屋台とガールズバーが路上に建ち並び、より華やかになる。
    パチものであろうドラえもんグッズを楽しく見て歩き、宿に戻ってテレビをつけると
    筋肉番付と風雲たけし城をまぜたような素人参加型の体力ゲーム番組をやっていた。
    ぐるぐる回る棒の上に飛び乗ったり、駆け下りたり、
    プールにおちて服がぴったりしちゃうセクシーさがあったりして、
    時間内にゴールすると賞品がもらえるという内容なのだが、
    まぁ、日本のテレビ番組にそっくりだなと思ってみていたら、
    ついに時間内にゴールをできた人が出現。
    さて、何がもらえるのかと思って見ていたら
    「おめでとうございます!商品はこちらです!U-pad!!」
    ?!?!?!
    商品までパクり~!!
    見た目はi padそっくりなU-padをうれしそうに掲げる挑戦者。
    うーん、中国恐るべし。

  • 真似天国

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    広州にある昔の商店も残る上下九路。平日なのに人がいっぱいで原宿みたい。

    中国は広州のホテルにていつも通りブログチェックやツイッターなんかを
    チェックしようとしたら、あら?通じない??
    そうです、中国では政府の検閲により、見ることのできないWEBサイトがあるのです。
    ツイッター、face book、Googleの一部、You tube、アメブロなどの大手ブログetc…。
    表現の自由の国で育ってきたことを、中国で初実感。
    Google mapが完全にブロックされていて、見知らぬ地での味方、
    自分の位置がまったくわかりませーん。
    バスをどこで降りたらいいのか、ホテルが歩いていける距離なのか、いろいろ不便。
    私たちのブログに中国からアクセスすると右下に表示されるはずのツイッターや
    右上に表示されるはずのmapがシレーッと消えていて表示されない。
    …すごいな、中国。

    広州でやりたかったことナンバーワンは広東料理を食べること!!
    世界一周中に突如しょうゆ味が恋しくなったり、
    パンばかりのヨーロッパでお米が食べたくなったりした時など
    世界中どこにでもある中華料理店に助けられて、ここまでこれた私たち。
    本場、中国の中華料理を食べたい!とずっと思っていたのです。
    正直、ヨーロッパでは毎日パスタにサンドイッチに、、、
    チーズとトマトソースと小麦ばっかりでげんなり。。。
    中華料理店を探すためだけに半日費やしたりしていたほど。

    陶陶居で飲茶。陶陶居は4階まであるが1階はオーダー料理専門フロア、入口で飲茶を食べたいと伝えると4階に案内された。

    広州駅の近くに宿を取った私たち。
    まわりには色とりどりの中華料理店。
    お値段も10元(約120円)からあり、魅力的。
    餃子に、麻婆豆腐に、チンジャオロースに、チャーハンに青島ビール!!
    いやー、手作りの皮の餃子はおいしいね!!タレもニンニクがきいていてうまし!!
    すっかりうれしくなって、翌日の昼食はネットで私が調べつくし一番よさそうだった、
    上下九路という昔ながらの商店が立ち並ぶ路地の中にある“陶陶居”という飲茶が有名なお店へ。
    有名店であるにもかかわらず、英語はスタッフ誰にも通じず、
    メニューもすべて中国語のみ。
    でも、私たちのテーブル担当のおばちゃんが笑顔でとても親切で
    フロアの隅にある飲茶注文場所まで一緒に来てくれて、
    代わりに注文を取ってテーブルまで飲茶を運んでくれた。
    こういうサービスが欲しかったの~、中国で初めての嬉しいサービス。
    広州ではにわとりの足をゆでたものや甘辛く炒めたものが大人気みたいで
    どのテーブルもみんな山盛りの爪がついたままのにわとりの足にしゃぶりついてた。
    うー、ちょっと挑戦したい気持ちもあるけど、山盛り一皿は食べきれないので今回は断念。

    中国のドラえもんはスタイルがちょっとよかった。

    この上下九路には広州飯店や蓮香楼という中国三大レストランといわれる有名店もあり、
    若者でにぎわっていて歩きごたえのある道である。
    洋服店が多く、竹下通りっぽいデザインと品質の中にアメ横デザインも多数という感じ(^^ゞ
    おもしろかったのは、パクり具合(笑)
    完全にPLAY BOYをパクったであろうウサギのロゴのお店。
    看板、商品すべてにPEPSIのロゴが入っているスポーツ用品PEPSI SPORTSショップ。
    極めつけは「人気格闘家が着こなす」と日本語でデカデカと書かれ、
    横にmini stopとぴあのロゴが印刷された若者向け洋服店。
    写真はcamcanやminaの日本人のモデルが使われてた。
    もう支離滅裂で笑えてくる(笑)

    やっぱりまだまだ興味深いな、中国のやつ。

  • 広州で中国らしさを感じる

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    広州にある六塔。
    あったかーい気持ちで始まった中国初日の朝、広州。
    さて、いつも通りバックパック背負って宿探しです。
    事前に調べていた駅前のユースホステルの場所に行ってみるも
    なぜかユースホステルが見当たらない。
    別のお高そうなホテルがそこにあったのでフロントに行ってみると
    即答で「空きはございません」とのこと。

    ホテルがたくさんありそうな通りに向かい、
    中級くらいのホテルを見つけてフロントに向かうも
    ふたりいたスタッフ女性が目も合わせずに「FULL(満室)」と言いやがった。
    まだ朝7時だし、フロント後ろの壁には最新情報の本日の部屋代が
    表示されてるし、どうにも納得がいかない。
    何?日本人だから?格好がバックパックだから?
    どれにしたって、目も合わせないその態度は気に食わない。
    カチンと来たので「Why?」と強く言うと
    ちょっと間をおいて「Often」とまたも目も合わせず答えやがった!
    信じらんない!!! 接客ってものがまるでなってない!!!

    その様子を見ていたホテル外に立っていた客引きが宿を紹介してきた。
    パンフレットを見ると、悪くなさそうだし、値段も半額にしてくれるらしい。
    断られる理由を聞きたいのだけれど、客引きも中国語しか話さないので、
    イライラしたまま客引きについて歩く。
    宿は中心街近くの少し奥まったところにあり、部屋の設備も申し分ない。
    宿泊する旨を伝えると、フロントのお姉さん曰はく、
    宿代は前払いで、宿泊費と同額のデポジットが別途必要らしい。
    デポジット??しかも宿代と同額?高くない??
    でも、これは中国スタイルらしい。
    部屋に置かれていたホテル案内の冊子を見てちょっと納得。
    部屋にある鏡やらテレビやら蛇口やらカーテンやら、ありとあらゆるものの
    弁償代金一覧が書いてあったのだ。
    それだけ壊す人が多いということだろう。
    ならば、デポジットが必要になってくるのも頷ける。
     

    アヒルやニワトリがテカテカにおいしそうになってる。中国のあちこちで見かける光景。

    町を歩くと「文化人になるために」という看板をあちこちで見かける。
    つばをはいてはいけませんなど、当たり前のことが書かれてる。
    そして、レストランは禁煙の張り紙がどこも大きく張られており、
    灰皿など置かれていないのだが、
    みんな普通にタバコを吸い、灰皿がないのでコップに灰を落としたり、
    そのまま床に灰を落として吸殻を捨てたりしている!
    これが本当にみんながみんな普通にやっているからびっくり。
    レストラン側も見て見ぬふり。

    中国、なんかスゴイ。。
    まだまだ悪い意味で驚くことが続きそうだな。。。

    *旅メモ*
    中国のホテルは公安の指導により、外国人が宿泊できる宿と
    できない宿が決まっているそうだ。
    また、デポジットは中国、マカオ、香港とも必要で
    クレジットカード払いはいったんカードから引き落とされ、
    キャッシュ払いはチェックイン時に宿泊費の約倍額を預ける。

  • 旅は道連れ

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    中国ではごはん時にお茶が出てくる。ヨーロッパじゃ水すらも有料だったけど、アジアはいいなー。茶柱立った。

    中国の東興に入り、なんとか市内の長距離バスターミナルまで来たものの、
    バスに乗り合わせたおじさんに案内されるがまま、
    チケットも買わずにワゴン車に乗り込むことになった私たち。

    ムコにどうしようかと言うと、よく分からな過ぎるけどノッてみよう、とのこと。
    ドキドキ、ハラハラが止まらない。
    念のため、荷物がなくなっても糸口をつかめるように
    バックパックを積み込んだバスの車両ナンバーをカメラにおさえてワゴンで移動。
    着いたところはレストラン。
    どうやら、夕食付きとは車内お弁当ではなく、レストランの食事のことらしい。
    おじさんは香港の人でベトナムで10日間過ごして、帰るところらしい。
    昔はコンサルティング会社の社長だったけれど今はリタイアしており、
    息子二人がいて、彼らはニュージーランドで暮らしているらしい。
    うーん、話してみても悪い人ではなさそうだ。
    でも、旅で油断は禁物。
    最初は親切な人ほど危なかったりするのだ。
    よほど親切なのか、本当は危ない人なのか、どちらかだろうとムコと予想。

    先ほど乗ってきたワゴン車がピストンで往復しているらしく、
    ぞくぞくとレストランに人が運ばれてくる。
    どうやらみんな同じ広州行の深夜バスに乗る乗客のようだ。
    いかにも中国という感じのレストランの回転テーブルに料理が運ばれてくる。
    お茶を湯呑におじさんが注いでくれた。
    飲もうとすると、待った、の声。
    湯呑のお茶はいったん箸を伝わせて、取り皿に移し、
    テーブルに置いてあるボールに捨てる。
    洗器という中国の礼儀で、箸やお皿をお茶で洗ってから使うのだそうだ。
    テーブルに出されてる時点できれいな食器ではないのね。。
    お箸袋にも“清潔一級”ってきれいであることがさもすごいことかのように書いてあるし、
    礼儀であるとはいえ、洗うってなんか複雑。
    その後も、ご飯はあそこで自分でよそってくるシステムだとか、
    これは青菜の炒め物だとか、いろいろ親切に教えてくれるおじさん。
    食事をしていると大型バスがレストランの横にやってきた。
    すかさず車両ナンバーを確認するムコ。
    どうやらさっき荷物を積んだバスであっているようだ。
    「同じバスだったかい?」とニコニコおじさん。

    ラッピングされた食器をさらにティーポット内のお茶ですすいで左上のボールにすすいだお茶を捨てる。

    私たちが食べ終わるのを待って、一緒に席を立って、
    バスの扉前に一番に並んだおじさん。
    私たちもおじさんの後に並ぶも、ここは中国。
    順番に並ぶなんていう概念はございません。
    バスの扉が開いてみんなが乗り込みだすと、あれよあれよと横から人が入ってきて
    先頭に並んでいたおじさんの後ろにいたのに気づけばほぼ最後。
    おそるべし、中国。
    異国の地の深夜バスで不安もあるからムコと隣の席に座りたかったけど
    早いもの順で席とられちゃってるかな、とちょっとしょんぼり乗り込むと
    おじさんがバスの後部座席で手招きをしている。
    なんと、一番に乗り込んで私たちの席を並びで確保してくれていたのだ。
    わー、ありがたい。。
    席にチケット代回収にやって来るバススタッフは英語が話せないので、
    チケットをまとめて買ってくれるということでおじさんにふたりぶんのバス代460元(約5600円)を渡す。
    おじさんへの不信感が薄くなりつつ、感謝しつつも、まだ完全に信用しきれない私たち。

    11時間の長旅になるバスが出発して、時計が22:00を回ったころ、
    突然バスが止まり、暗めになっていた社内の電気がいっせいにつき、
    カーキ色の制服を着た人が乗り込んできた。警察だ。
    大声で全員に身分証明書を出すように指示している。
    なんとも、ものものしい雰囲気な上に、全て中国語で理解しきれずおろおろな私たち。
    状況が分からないって本当に恐ろしい。
    困っているとおじさんが英語で状況を説明してくれた。
    私たちはパスポートを出す必要があるらしい。
    警官は乗っていた中国人の身分証明書を確認して回り、
    怖い顔つきのまま私たちのパスポートをを持ってバスを降りて行ってしまった。
    何~??なんで私たちは身分証明書を取り上げられるの~?怖い~!
    しばらくするとバススタッフが厳しい顔でやってきてバスの入口まで来いと言う。
    「なんで呼ばれてるんですか?」とおじさんに聞いてみるも、
    「わからない。とにかく来いって言ってる」とおじさん。
    しょうがないので、貴重品などが入った荷物を全部持って、靴なども全部持って
    バス入口まで向かうムコと私。
    見ると、後ろからおじさんも自分の荷物と靴を全部持ってついてきてくれている。
    バス入口には私たちのパスポートを手にした警察官が。
    英語は話せるか?と警察に聞かれ、名前確認と顔写真の照合をしてパスポートを返してくれた。
    「返してもらえました」とおじさんに伝えるとホッとした顔で「それはよかった」と。
    おじさん、いい人かも。。。
    名前と顔写真だけなら、何も呼び出さなくてもパスポート提示した時点で確認すればいいじゃん、と
    若干納得がいかないながらも、自分の席へ戻る。

    その後、チケットも購入してくれ、半券をくれた。
    印刷された値段を確認すると、ちゃんとひとり230元でおじさんに払った金額通り。
    ぼったくられてなんかいない。
    そして、夜中、別のバスターミナルでお客さんが乗ってきた時、
    スタッフが寝ていたムコを起こして席を移動するように中国語で言ってきた。
    そもそも指定席ではないのだから、移動せよなんていうのが意味不明なのだが、
    寝ぼけ眼で何を言っているのか理解できなかったムコにおじさんが起きて説明をしてくれ、
    中国語でスタッフとしばらく激しく言い合い、結局ムコは席を移動せずに済んだ。
    どうやら夫婦なんだから隣の席であるべきだ、など、いろいろ猛抗議をしてくれたみたいだった。
    おじさん、いい人だ…!!!
    数時間一緒にいていろいろ親切にしてもらいながらも、
    どこかで疑いの念を持っていたことを本当に申し訳なく思う。

    明け方、バスが広州バスターミナルに着いた。
    車内アナウンスも何もなかったけれど、おじさんが「着いたよ」とムコを起こしてくれた。
    終点駅ではなかったから、教えてくれて本当に助かった。
    まだあたりは暗いので、おじさんは明るくなるまで近くのマクドナルドで
    顔を洗ったり朝食を食べたりして時間を過ごすという。
    バスターミナルは薄暗かったので、おじさんについていくことに。
    朝マックのマフィンセット10元(約120円)をおごらせてもらって、
    おじさんと話をしながら明るくなるのを待つ。
    途中、コーヒーのお替りを持ってきてくれたり、もう、本当に親切すぎる。
    別れ際、メモ用紙に自分の名前と携帯電話番号、家の電話番号を書いたものをくれて、
    何か中国で困ったことがあったら電話するように、と。
    もう、もう、もう、本当にありがとう、おじさん。
    心があったかくなった中国初日の朝。