チチカカ湖に浮かぶアマンタニ島。
この島は観光客が来始めたばかりでホテルなどの宿泊施設はなく、
ツアーで民家に泊めてもらうことができる島。
ツアーに参加した人たちは4人くらいずつみんな別の家に泊まる。
私たちはお母さんと12歳の女の子ひとりのグラディスさん宅へ。
宿泊は空いている部屋を貸してくれて
ご飯もお母さんが作ってくれる。
薪をくべて、かまどを使って、肉はなくて野菜と穀物とたまごのみの料理。
食後は庭から女の子が摘んできてくれたムーニャというハーブを
コップに入れてお湯を注いでハーブティーをいただいた。
夜はお母さんたちと同じ民族衣装を着せてもらって
村の小さなホールに集まって
各家に泊めてもらっている人がみんな集まって
フォルクローレの生演奏でダンスパーティー。
手と手を取り合って、フォークダンスのように大きな輪になって踊る。
ムコはきれいなオランダ女性と手をつなぐ目標をもって1時間近く踊り続けていた。
人は目標があると動き続けられるらしい。
2時間近くホールでの時間を楽しんで、お母さんと家へ戻った。
家への帰り道、まっくらで街頭ひとつない村の星は満天で
ミルキーウェイも南十字星もひしゃくの7つ星もばっちり輝いてました。
トイレは水洗だけれど水道はないから、往復40分以上かけて湖から汲んでこなくちゃ流れない。
シャワーも水を汲まないと出ないし、ライトがないから夜は入れない。
食器もバケツに汲んだ水で洗う。
暖房はないから毛布をたくさんかけて重い布団で眠る。
街を歩くとすれ違う村の人がみんな「Hola!」と挨拶してくれる。
子供は嬉しそうに恥ずかしそうに手を振ってくる。
豊かじゃないようでもここは絶対“豊か”だ。
帰りの船でガイドが言った。
「アマンタニ島の人はみんな民族衣装を着てたでしょ?
彼らはipodもコンピューターも持たない。
自分たちの伝統を守って今も生活してるんだ」と。
夕日を見るため登った丘の道々、
すれ違う青春真っ盛りの男の子たちはみんな
手に手にラジカセを持って音楽を聴きながら歩いてたことを思い出して
なんだか心があったかくなった。
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